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留学報告

フランス留学報告

宇都宮 裕貴

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到着日のClermont-Ferrand空港の様子

 皆様こんにちは。八重樫教授のご高配により2010年11月末からフランスのAuvergne地方Clermont-Ferrand市のAuvergne大学医学部付属病院に内視鏡手術とdiploma取得のため留学をさせていただいております。日本は無事出発できたのですが、フランスではこの時期にしては珍しい大寒波に襲われパリでしばらく待たされましたが、欠航にはならず無事目的地に到着することができました。

 Clermont-Ferrand市はパリから南に420q、小高い丘の上にあるAuvergne地方の中心都市で人口は約14万人です。世界的に有名なものとしては、タイヤメーカーでレストランガイドを発行しているミシュランが誕生した街で、多くの税収が入ったことにより街が潤ったといわれております。また、「パンセ」の著者で哲学家・文学者であり、さらにパスカルの原理や気圧の「ヘクトパスカル」の生みの親である数学者・物理学者の“Pascal”の生まれた街です。

 

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フランス産婦人科内視鏡手術ランキング表

  オーベルニュ大学附属病院は以前は街の中心部にありましたが、今年に入り少し離れたところに移転され近代的な設備の病院に生まれ変わりました。産婦人科は単独で診療棟を持っており、そこで内視鏡手術、産科診療、生殖医療などを中心にたいへん質の高い医療が行われております。毎日、早朝から4〜5列で10〜15例前後の手術が組まれております。毎年発表されるフランス国内の産婦人科内視鏡手術ランキング(手術数、種類、開腹率、合併症、時間など既定の項目があり総合的に点数化される)で、パリやマルセイユなどの大都市を抑え3年連続1位(ここ7年で1位5回、2位2回)を獲得しており、フランス国内はもとよりヨーロッパ全土から患者が集まります。難易度の高い手術は6人の教授、単純全摘や卵巣腫瘍核出などはchief residentが中心になり手術が進められております(全て内視鏡手術です)。毎年、研修希望者もフランス国内はもとより世界中から集まります。現在は私以外にシンガポール・タイ・チリ・グルジアからの5人がいますが、2011年も10数名が順次参加する予定になっております。

 

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ラボ実習の光景。
STORZ社の多大なサポートが。。。

 病院実習に加え、European University Diploma of Gynecological Operative Endoscopy取得のため講義・実習・試験にも参加しております。ヨーロッパや北アフリカを中心に90人の若い(?)ドクターが集まり、朝から夜までぎっしりのプログラムに取り組みます。ほとんどがフランス語(+英語の同時通訳)で行われるのですが、通訳の単調なしゃべりにより猛烈な睡魔に襲われ、コーヒーとミントキャンディの大量摂取で胃が痛くなる今日この頃です。ようやく前半のプログラムが終わり、1月には後半の講義・実習および試験(筆記試験+内視鏡手術に関する論文1本提出)が行われる予定です。

 

 

 

 

 18年前にフランスを旅行した際に、どちらに原因があるのかわかりませんでしたが英語がほとんど通じなかったため苦労した記憶がありました。今回、その記憶を引きずりながらパリから遠く離れたクレルモンフェランにやってまいりました。勇気を出して大きな声で英語を話してみました。。。。。。。が、全く通じません!!レストランやパン屋・郵便局・駅・スーパーマーケットなどはもちろん、ホテルや病院の食堂のおばちゃん・ブタの世話をするおじさんまで。。。。相手が暇そうな時を見計らい、フランス語会話の本を片手に毎日格闘しております。まあ考えてもみたら当然で、日本でも田舎のおじちゃんやおばちゃんがペラペラ英語を話すとは思えませんし。毎日同じパン屋・同じ食堂・同じスーパーに行くと、向こうも最近毎日来る得体のしれないアジア人に慣れたようで、笑いながら「フランス語は話せるようになったか?」などと無駄な質問を浴びせながら親切に応対してくれるようになりました。

 

 最後に、今回の留学に際しまして準備から滞在中の様々なことまで松崎先生に大変お世話になっております。ところで松崎先生って知ってますか?もう知らない方もいますよね?こちらに来て10年ですって!!私は大学で一緒に仕事をさせてもらいましたが、卒後10年以内の方々には知らない先輩ですよね。写真も撮らせてくれないし、「私のことは書かないで」と言われましたが、折角ですから少しだけ。不妊・内分泌を専門にされていた先生で、始めは臨床でこちらに留学され、その後基礎研究のほうでも活躍され現在は自分の研究室を持たれております。昨年はHuman ReproductionのBest Reviewerにも選ばれ、教授陣からも貴重な人材として一目置かれております。あまり書くと怒られるのでこの辺で止めときます。

 

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広場のクリスマスツリーと仮設観覧車

 今年のClermont-Ferrandは寒くて雪ばかり降っております。ただ、町全体はクリスマスムード一色で、買い物袋をたくさん抱えてニコニコしながら歩く人たちを見ると、心が和みます。日本の忘年会・年末・年始は恋しいですが、初めてのヨーロッパの年越しを満喫し、また1月から頑張りたいと思います。それでは。。。