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テキサス大学留学記

仲村 三千代

 私は、2008年4月より、アメリカテキサス州サンアントニオの、テキサス大学産婦人科、Center for Pregnancy and Newborn Research にPostdoctoral Fellowとして留学中です。こちらに来て約1年と半年が過ぎましたが、毎日広がる青空と、陽気で親切な人々に囲まれ、楽しく過ごしています。

 サンアントニオと聞いても、日本ではあまり馴染みが無いかもしれませんが、テキサス州の南部、メキシコとの国境近くに位置し、全米で8番目、テキサスでは2番目に大きい都市です。バスケットのファンの方にはNBAのSPURSの本拠地としておなじみかもしれませんし、西部劇の好きな方には、アラモの砦のあるところと言えば分かっていただけるかもしれません。


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ラボのメンバーのパーティー。
マイアット教授宅にて。
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ラボのパーティー。
トム マクドナルド博士宅にて。

 

 メキシコとの国境に近いためか、住民もスペイン語を話すヒスパニック系住人が多くを占めます。そのためか、もしくは気候のせいか、陽気な人々が多く、例えばサンアントニオ行きの飛行機に乗り込むと、あちこちで知らない人同士が会話を始めてとてもにぎやかです。また、「英語を話せない人」にも慣れているのか、何かの手続きや買いものの際に多少不自由な英語を話しても、特に嫌な思いをすることもなくきちんと意思疎通を図ろうとしてくれます。車で約3時間走ると、大都会ヒューストンに着きますが、ヒューストンとサンアントニオでは雰囲気も全く異なり、さながら「東京と仙台」といった感じです。

 サンアントニオには、リバーウォーク、アラモの砦といった観光スポットや、シーワールド、シックスフラッグス、シュリッターバーンと言ったテーマパークもあり、また1時間程郊外に車を走らせると、カウボーイの街バンデラにたどり着きます。周りに何もない広大な敷地にロングホーンや馬、時にはキリンなどが飼われていて、あまりのスケールの大きさにびっくりします。サンアントニオは、ちょっと足を伸ばせば遊びに行くところがたくさんあるので、アメリカ人の間では長期休暇に行く場所として人気が高いようです。


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Ranch での乗馬体験。
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Big Bend 国立公園にて。
リオグランデ川の向こうはメキシコです。

 

 さて、肝心の研究ですが、私がお世話になっているラボは、テキサス大学ヘルスサイエンスセンターの、産婦人科に併設されている研究室です。研究内容としては、「胎児期の栄養状態が、その後成長してからの健康状態に影響を与える」という説に基づき、動物モデルを使った研究をしています。これは、「新生児死亡率が高かった地域での、数十年後の冠動脈疾患での死亡率が高かった」というイギリスでの大規模な疫学調査や、第二次世界大戦中に極端な食料不足に陥った地域で胎児期を過ごした人に、その後様々な病気の発症率が高くなったという事実から明らかになってきたことで、今では世界中で様々な研究者がこのテーマの研究をあらゆる角度から進めています。私自身は、日本では主に臨床に携わって来ていて、あまり腰を据えて研究と言うことに取り組んだことがなく、こちらに来て初めて覚える技術ばかりですが、色んな人に助けてもらいながら楽しく研究を進めています。産婦人科医としては、胎児期の過ごし方でその子の今後の疾患発症リスクが変わってくるとすると、責任重大ですし、将来私が臨床に戻って患者さんと接する時に今の研究が生かせるのではないかと思っています。

 今は11月の末、これからサンクスギビング、クリスマスと続きアメリカではホリデーシーズン突入です。未だに日中は20度を超え、半袖で歩く人も多数見かけますが、夕方日が沈むのも早くなり、何となく季節の移ろいを感じます。せっかく与えていただいた限られた留学生活、研究はもちろん、今しか出来ないようなアメリカ国内旅行など、たくさん経験して今後に生かして行きたいと思います。


11月25日 サンアントニオより 仲村三千代 


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ラボの友達とワイナリーめぐり。
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学会で訪れたエジンバラにてラボのメンバーと。