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海外学会報告

SRI 65thAnnual Scientific Meeting参加報告

湊 敬廣

2018年3月6日から9日までの4日間の日程でアメリカのサンディエゴで開催された65th SRI (Society for Reproductive Investigation) Annual meetingに参加させていただきました。サンディエゴはカリフォルニア州の南端、メキシコとの国境付近に位置しています。人口が140万人と同州の中でロサンゼルスに次ぐ大きな都市であり、年間晴天日数が300日以上という陽気で温暖な気候から、アメリカ人がリタイアしたら住みたい街の2位にランクインされているみたいです。メキシコとの国境に近接しており、メキシコからの移民も多いためにサンディエゴはタコスが大変美味しいのが有名で、街の至るところにタコスを食べさせてくれるお店があります。またアメリカ海軍の基地としても有名で、少し前の映画ですがトム・クルーズ主演の『トップガン』の舞台になった街でもあり、ミッドウェイという退役した空母が博物館として一般に公開されており、私もルームメイトの渋谷先生と一緒に見学に行きました。全部の施設を見学するのに3時間ほどかかり、そのスケールの大きさに圧倒されてしまいました。

学会の会場はサンディエゴ港に面したHilton San Diego Bayfront Hotelで開催されました。当教室からは渋谷先生、富田先生、上原先生、熊谷先生、和形先生、湊とトロントで留学中の濱田先生の7人で参加しました。学会1日目はSatellite sessionが行われ、各分野のエキスパートが各々の研究についての最新の知見を発表していました。2日目以降は参加者のOralとPosterによる発表が行われました。私は3日目Poster発表で自分の研究テーマである”FGR胎仔における自律神経機能と分娩時脳出血の発症との関連”について発表しました。In-Trainingというカテゴリーでエントリーしており、これはいわゆる学会参加費の学割みたいなもので安くなるのですがその代わりに評価者2人の前でプレゼンおよび質疑応答が義務付けられます。質問は結構鋭い内容でたじたじとなる場面もありましたが、私のつたない英語での応答をしっかりと最後まで聞いてくれて、理解しようとしてくれる姿勢は大変有り難いものでした。また他のセッションでは、満期産の分娩開始の機序にも早産と同様に炎症が関連しており、子宮筋層内の抗炎症作用を持つ遺伝子発現の低下や胎盤内のT細胞などの免疫細胞数の減少が関連しているという発表や、米国での新生児脳障害に対する臍帯血幹細胞移植の臨床研究の結果についての発表など大変興味深い発表が多く勉強になりました。SRIは生殖内分泌関連や産科関連の演題がメインとなる学会ですが、若手の研究者を育成する事にも力を入れており、プログラムの中にも”Connection corners”という若手研究者が集いキャリアデザインや研究費取得や交渉についてのノウハウなど具体的なアドバイスをベテランの研究者に聞けるプログラムが用意されていました。

 

 

夜にはサンディエゴのもう1つの名物でもある地ビールを飲みながら、今回参加したメンバーと共に親睦を深めました。濱田先生のカナダでの留学生活の近況や苦労話などが聞けてとても充実した時間となりました。4日間の日程で参加した学会ですが、知的好奇心を刺激され大変充実した学会となりました。英語で意思疎通に関しては上達しなければと痛感させられました。日頃より英語に触れる機会を増やして少しでも上達していきたいと思います。

最後になりましたが、今回学会参加の機会を与えて頂いた八重樫教授をはじめ、諸先生方にお礼を申し上げたいと思います。