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海外学会報告
25th Asian & Oceanic Congress of Obstetrics and Gynecology(AOCOG香港)参加報告
高橋 聡太
2017年6月15日から18日の4日間の日程で、香港にて開催された25th Asian & Oceanic Congress of Obstetrics and Gynecology(AOCOG)に参加してまいりました。仙台から香港はおよそ10時間の旅程。現地はとても蒸し暑く、不快指数高め。人口密度、車の密度ともに高く、常にクラクションが鳴り止まない、沸騰するアジアを象徴するような街でした。
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学会はHong Kong convention and exhibition centre (香港會議展覽中心)。香港島、湾仔地域沿岸に位置したくさんの催し物が絶えず開かれている場所でした。
学会には中国から東南アジア、中央アジア、オセアニアにかけてたくさんの国と地域から産婦人科医や助産師が参加者しておりました。
学会の内容はかなり多岐にわたりました。Plenary speakerの一人、Prof. Mats Brännström(スウェーデン、Gothenburg univ)が子宮移植に関する最新の臨床データの報告をしたかと思えば、同じくPlenary speakerの一人、インドBhailal Amin General Hospital のDr Robit Bhattはアジア諸国におけるDomestic violenceの現状を報告するなど、最先端医療の話題から、アジア全体の産科および女性医学に関する社会的問題も議論されており、扱うテーマとしてはかなり広い学会でありました。心配した不得手の英語の方ですが、全体的にゆっくりと喋ってくれていたり、やや文字が多め(ほとんど原稿?)のスライドを提示してくれていたりして、幸い自分でも凡そ内容は理解できました。
学会全体のスケジュールは割りとゆったりとしていて、大体2時間くらいのスケジュールが終わると、必ずtea breakをはさみます。このあたりは英国流なのでしょうか?ただコーヒーや紅茶の茶請けとして、現地で流行しているというクッキーの他に春巻などの揚げ物もあるのは香港流?会場の雰囲気も穏やかで、「日本から持ってきた第70回日産婦のポスターを貼ってもいいか?」と会場係の人(?)に尋ねると、好きにしなと言わんばかりに掲示物用の大量の両面テープを渡してくれました。ここに、今回の学会における最大のミッションが達成されました。
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自分のポスター発表はというと、今回はelectrical poster (e-poster)といって、タッチパネル式電子掲示板で、見たい演題を検索し、選択すると内容が表示されるという方式でした。しかし200題以上あるポスター演題に対して、電子掲示板はなんとわずか6台。一応フリーディスカッションという建前ではありましたが、わざわざ検索し、選択しないとポスターが出てこないため、プレゼンやディスカッションも、優秀演題に選ばれた人でないと、なかなかさせてもらえない状況で、少しばかり肩透かしにあった感じでした。今度はちゃんと喋らせて貰えるような演題を出そう、と大いに思いました。
日産婦でせっかく英語のポスターを作ったので、「どれ一つ海外学会にも出してみる」か、と軽い気持ちで参加してみた初の国際学会。アジアに住む一産婦人科医として、今までより少し広い視野を得るよい機会になりました。
最後になりましたが、学会参加の機会を与えていただいた八重樫教授をはじめ、産婦人科教室の諸先生方に御礼を申し上げたいと思います。