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海外学会報告

9th International Ceramide Conference 参加報告

張 雪薇

今回、私は2017年5月1-4日にかけて米国ニューヨーク州ポートジェファーソンで開催されたInternational Ceramide Conference に参加させていただきました。この学会はスフィンゴ脂質セラミドを中心とする国際学会であり、今年参加者数は約150人であり、今回で9回目の開催となります。

この学会では、単にスフィンゴ脂質代謝・調節だけでなく、スフィンゴ脂質セラミドを用いたがん治療の可能性など、研究室にいるだけでは学べない、幅広い分野の発表を見ることができました。日本の学会と比較すると、Oral, Posterとも活発な討論が行われている印象を受け、世界各国の研究者の興味深い発表を聞くことができました。

今回私は一般演題の口頭発表として、“Potential of ceramide nanoliposomes as necroptosis-inducing chemotherapeutic reagents in ovarian cancer”(卵巣がんにおけるセラミドナノリポソーム製剤のネクロプトーシスを誘導する化学療法剤としての可能性)のタイトルで講演をさせていただきました。私にとって初めての国際学会発表であり、さらに英語を使ってやりとりしなければならないということでとても緊張しました。自身の語学能力をもっと磨き、より有意義な学会発表や円滑に外国の方と交流できるようになりたいと改めて感じることができました。また、日本人と話し合うことだけでは思いつかなかった疑問やアイデアを得られた為、自分の研究活動に対して新たな着眼点を見つけることができました。さらに、最近のトピックスである"The roles, functions and therapeutic implications of sphingolipids in acute myelogenous leukemia"(急性骨髄性白血病におけるスフィンゴ脂質の役割、機能および治療上の意義)など、世界の第一人者による数々の講演を拝聴し、今後の研究に大いに役立つ知見を得ることができました。ほかにも、ポスターセッションでは若手や中堅の研究者によって最新の研究データが発表され、熱い討論が行われました。

学会最終日の夜には、参加者全員は笑顔で夕食ダンスパーティーを開きました。皆さんの踊っている姿に感動し、周りの沸き立つ雰囲気に夢中になった私は、「これこそがアメリカの魅力だ」と思い、大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。

総じて言えば、本学会への参加により、盛大なレセプション、会場での活気ある雰囲気、発表時の英語でのディスカッション等、国際学会でしか味わえない数多くの貴重な経験を積むことができ、私の価値観を大きく広げることに繋がりました。また、世界各国の最新の知見を得ることや、私自身の研究内容に対する助言を頂くこともでき、今後の研究生活の糧となりました。