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海外学会報告

SRI 2015参加報告

濱田 裕貴

 

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平成27年3月25日〜28日に米国サンフランシスコで開催されました62nd SRI (Society for Reproductive Investigation) Annual meetingに参加させていただきましたので、ここにご報告いたします。

 

SRIは2013年まではSGIとして知られていた研究会で、女性健康と生殖科学の臨床・基礎研究を現場へ還元することを目的としているため、今回のAnnual meetingには臨床から基礎研究まで幅広い分野の講演や演題が組まれていました。

今回学会が開催されたサンフランシスコはアメリカ西海岸の都市で、人口の3分の1をアジア系民族が占めるという、距離も人種もアジアになじみやすい場所です。日本から直行便で9時間と交通の便が良いことも幸いしてか、当教室からは八重樫教授、木村教授、菅原教授、高野特任教授の引率の元、若手を中心にした合計18名という過去最多のメンバーでの参加となりました。

Non-MDや大学院生を中心にポスター14演題、口頭演題1演題を掲げ、各方面で積極的な発表、討論が行われました。特に大学院生は、大学院で行ってきた研究をまとめる形での発表となり、世界中の研究者とのディスカッションを通じて研究内容をさらに洗練できる、大変貴重な経験となりました。

 

 

学会の内容は、周産期・生殖分野を中心に、ゲノム〜エピゲノム、幹細胞〜細胞分化、早期発見〜標的治療といったキーワードが挙げられました。今年のメインテーマは「免疫」であったため、免疫学に着目した研究がピックアップされており、周産期分野においては、早産や妊娠高血圧症候群、胎児発育不全のメカニズムに免疫が深く関わっている、という講演が多数見受けられました。また、筋腫や腫瘍の分野では、microRNAに関する研究が目立ち、メカニズム解明や治療のターゲットとしての可能性を感じました。

海外学会報告サンフランシスコにはスタンフォード大学やカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)といった世界でも有数の名門校があり、日本の優秀な人材の留学先としても有名です。本学からの留学生を交えた現地日本人交流会や、当教室菅原教授のかつての留学先の研究室(Linda Lab, UCSF)との交流会も開催され、留学の実際の声を聞いたり、海外の研究室の雰囲気を肌で味わうことができたりと、大変に有意義な時間を過ごすことができました。学会の合間を縫って、UCSFの研究室見学に行ったメンバーもおり、学会以外の時間も、海外研究・留学というものを、より具体的にイメージできるすばらしい機会となりました。

学会参加を通じて、自分の研究成果を発表し、討論し、世界の研究のトレンドを知り、そして海外研究の実際を知ることができました。こうした貴重な経験を生かし、今後も研究の洗練と向上を目指し、日々精進してまいりたいと思います。また、今回の参加メンバーの中から、世界に羽ばたける人材が生まれることを期待したいと思います。

最後になりましたが、参加・発表の機会を与えていただいた八重樫教授をはじめ、交流会を企画していただいた諸先生方、教室を支持していただいている皆様方に感謝の念を伝えたいと思います。誠にありがとうございました。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。