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海外学会報告

14th Biennial Meeting of the International Gynecologic Cancer Society (IGCS)

大槻健郎・高野忠夫

平成24年10月13日から16日までカナダ、バンクーバーで開催されたIGCSに参加しました。
国際婦人科腫瘍学会になりますが、ポスター発表約900演題、口演約80演題、教育講演・シンポジウム形式約30講演の発表があり盛況でした。今回は元京都大学の藤井信吾先生がIGCS presidentであるためか世界各国から参加者が集まっている中でも日本の先生方を多く見かけました。藤井先生の意向か手術に関するセッションが普段よりも多い印象であり、自らも広汎子宮全摘に関するレクチャーを行っていました。
東北大学からは高野、大槻の2名が参加しそれぞれ”Paclitaxel plus carboplatin for advanced or recurrent carcinosarcoma of the uterus in japan"、”surgical outcomes of fertility-sparing radical abdominal trachelectomy”という演題を発表しました。
今回の発表ではいくつか臨床試験の解析結果が報告され興味を引かれました。

1. A phase II trial of brivanib in recurrent or persistent endometrial cancer: A gynecologic oncology group study

この臨床試験は進行・再発子宮体癌に対してMulti-targeted tyrosine kinase inhibitorであるブリバニブを経口投与した第2相試験です。奏効率はCR2.3%,PR16.3%,SD27.9%と低く、無進行生存期間(PFS)中央値は3.3か月、全生存期間(OS)は中央値10.7か月でした。過去のベバシズマブを使用した臨床試験とほぼ同等の結果でありあまり有望な結果とは言えないようです。

 

2. A randomized, double-blind phase 2 trial of maintenance sorafenib in epithelial ovarian or primary peritoneal cancer

この臨床試験は初回治療で寛解に至った卵巣癌に対して維持治療としてMultikinase inhibitorであるソラフェニブを経口投与した群とプラセボ群を比較したランダム化第2相試験です。PFS中央値はソラフェニブ群12.1か月・プラセボ群15.7か月と有意差は認めませんでした。OSは中央値に至っていませんが、1年生存率はソラフェニブ群94.8%・プラセボ群97.5%と有意差と認めませんでした。こちらの臨床試験も有望な結果は出ていません。

 

3. First efficacy results from OCTAVIA: front-line bevacizumab (BEV) combined with weekly paclitaxel (WPAC) and Q3W carboplatin for ovarian cancer (OC)

この臨床試験は卵巣癌に対する初回治療としてJGOG3016で有用性が認められたddTCに加えベバシズマブを投与する単アームの試験です。ddTCの追試ともいえる臨床試験です。奏効率は84.6%(CR30.8%)。PFS中央値は23.7か月、OSは中央値に至っていませんが、1年生存率は97.8%、2年生存率は92.1%となっていて今後の追跡調査が待たれる状況です。

 

バンクーバーはBritish Columbia州にあり太平洋沿いの大都会です。風景も非常にきれいな街だと聞いていたのですが、丁度秋雨時期と重なり学会期間中はずっと雨が降っていて寒かったため観光という雰囲気にはなりませんでした。アメリカの隣国でありながら比較的治安もよく空港などのセキュリティも(アメリカよりは)厳しくありませんでした。次回はぜひ天気の良い時期に行ってみたいものです。

 

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