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海外学会報告

Gynecologic Oncology Group(GOG) ・85th Semi-Annual Meeting

大槻健郎、高野忠夫

平成24年7月26日から29日までアメリカマサチューセッツ州ボストンで開催されたGOGビジネスミーティングに参加しました。

海外学会報告 アメリカの婦人科腫瘍に関連する臨床試験を計画、遂行している組織がGOG(Gynecologic Oncology Group)です。26日にはシンポジウムが開催され卵巣癌治療に関連するディベートやリンパ浮腫、肥満の問題、子宮頸癌、絨毛性疾患の治療に関連した講演がありました。27日〜29日はそれぞれ小委員会に分かれ実際の臨床試験に関する会議が行われました。日本からはGOG-Japan施設、北里データセンターの約20名が参加しました。GOG-JapanはJGOG参加施設の中で一定の条件を満たした18施設からなります。GOG-JapanはGOG登録施設の要件も満たしているためGOGとの国際共同試験を実施できる体制が整っています。そこで、現在は子宮頸部、子宮体部、卵巣それぞれの臨床試験で5つの国際共同試験を行っています。26日にはGOG-Japan委員会が開催されGOG主任研究者と直接臨床試験に関しての議論を行いました。また、新規臨床試験についても日本から国際共同試験とするための条件を提示したりアメリカGOGからも症例登録を期待されていたりとGOG-Japanの果たす役割が大きくなっていることが感じられました。その後には子宮頸部委員会、子宮体部委員会、卵巣委員会の3つの委員会に分かれそれぞれの臓器に関連した臨床試験について議論されました。GOG-Japanのメンバーがそれぞれの委員会に参加し新規に登録可能な臨床試験がないかどうか検討しましたが、現在は分子標的薬が関係する臨床試験が多く日本での実施は困難な状況でした。

ボストンはアメリカ東海岸の都市で歴史のある街です。ヨーロッパの都市を思わせるレンガ造りの町並みもありました。みなさんご存知のボストンレッドソックスやニューイングランドペイトリオッツの本拠地でプロスポーツも盛んです。ボストンの名物といえばシーフードで大きなロブスターもおいしくいただきました。

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現在(平成24年8月)進行中のGOG関連臨床試験

  1. 卵巣間質性腫瘍に対するセカンドラインでのpaclitaxelの第II相試験GOG0187
  2. プラチナ感受性の再発卵巣癌、原発性腹膜癌および卵管癌に対する二次的腫瘍減量手術の有効性、およびカルボプラチンとパクリタキセルの併用療法にベバシズマブを併用維持療法として使用した場合の有効性を検討するランダム化第V相比較臨床試験GOG0213
  3. UTILITY OF PREOPERATIVE FDG-PET/CT SCANNING PRIOR TO PRIMARY CHEMORADIATION THERAPY TO DETECT RETROPERITONEAL LYMPHNODEMETASTASIS IN PATIENTS WITH LOCOREGIONALLY ADVANCED CARCINOMA OF THE CERVIX (IB2, IIA ≥4 CM, IIB-IVA) OR ENDOMETRIUM (GRADE 3 ENDOMETRIOID ENDOMETRIAL CARCINOMA; SEROUS PAPILLARY CARCINOMA, CLEAR CELL CARCINOMA, OR CARCINOSARCOMA (ANY GRADE); AND GRADE 1 OR 2 ENDOMETRIOID ENDOMETRIAL CARCINOMA WITH CERVICAL STROMAL INVOLVEMENT OVERT IN CLINICAL EXAMINATION OR CONFIRMED BY ENDOCERVICAL CURETTAGE) GOG-0233/ACRIN 6671
  4. 異型腺細胞(AGC)という細胞診断患者の子宮頸部病変診断におけるCA-IX, p16, 増殖性マーカーとヒトパピローマウイルス (HPV) による比較解析GOG0237
  5. 初回治療として広汎子宮全摘出術と骨盤リンパ節切除術を受けた中等度リスクのステージT/UA 期の子宮頸がん患者に対する術後放射線療法と同時化学放射線療法のランダム化第V相試験GOG0263
  6. ステージIII-IV期の卵巣明細胞腺癌を対象としたファーストライン治療としてのテムシロリムス+カルボプラチン+パクリタキセルの併用療法に続くテムシロリムスの維持療法による第II相臨床試験GOG-0268。日本からの登録は8例であり更なる努力が必要である。近隣の医療施設に患者紹介を再度依頼する必要性が確認された。

 

Uterine Corpus Workshop報告

Chair: David Scott Miller, MD、Co-Chair: Marcus Randall, MD
Session 1: July 27, 2012 8:00am -10:00 am、Session II: July 28, 2012 10:00 am -12:00 pm

 

GOG Japanが参加可能な子宮内膜癌研究は、既に行なっているGOG0233 以外はない。というのも分子標的薬中心のプロトコルが多いためである。

中等度リスクの術後補助治療として、化学療法単独のプロトコル提案があったが、放射線療法の有用性、放射線療法+化学療法の将来性等の議論が起きた。以前は補助化学療法に対してネガティブな意見が大半を占めていたが、今回はこれら3群のRCTが提案されるなど化学療法に対して一定の評価がされるようになってきたと感じられた。

子宮平滑筋肉腫では、GOG0277: A Phase III randomized trial of gemcitabine plus docetaxel followed by doxorubicin v. letrozole for early stage high grade uterine leiomyosarcomaが6月4日にactiveとなった。参加の可否について検討する価値はあると思われる。

またGTDでは、GOG0275: A sequential phase II/III randomized trial comparing three widely used regimens for the management of low risk gestational trophoblastic neoplasia (R. Osborne)が6月18日にactiveとなった。こちらは現地で行われたGOG Japan meetingでも検討中である。