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海外学会報告

産婦人科医育成奨学基金制度によるThe American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG) 60th Annual Clinical Meeting 参加報告

重田 昌吾
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JSOGメンバーと

2012年5月5日〜2012年5月9日までカリフォルニア州サンディエゴで開催されたThe American College of Obstetricians and Gynecologists (以下ACOG )60th Annual Clinical Meetingに日本産科婦人科学会(Japan Society of Obstetrics and Gynecology : 以下JSOG) young fellowsの一員として参加させていただきました。海外で開催される学術講演会へは初めての参加でしたが、JSOG若手メンバーともすぐに意気投合し、忙しくも充実した5日間を過ごすことができました。以下、内容を報告致します。

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ポスターセッション

学会期間中は、ほぼ連日早朝からACOG所属のyoung fellowsを集めてのミーティングで始まり、様々なレクチャー、ランチョンセミナー、ポスターセッションなどに参加、夜も学会主催のpartyに参加するなど、非常に密な日程でした。

ポスターセッションでは私を含めJSOGメンバーの多くが基礎研究のデータを発表していましたが、全体的には臨床研究を中心とした内容が圧倒的に多かったように思います。講演の内容も同様で、臨床的内容により重きを置いた学会であることが伺われました。robotic surgeryの標準化(USにおける子宮全摘出術症例中の約31%を占めているとのこと)、プロゲステロン製剤を用いた切迫早産の管理、BRCA mutation 症例に対するrisk-reductive salpingo-oophorectomy(RRSO)等、日米の臨床医療の相違点を現地医療者から直接学ぶことができました。また、参加者からも活発な意見がなされ、盛況なディスカッションが行われておりました。

私が学会を通して最も感銘を受けたのは、ACOGにおけるyoung fellowsの活動でした。ACOGはアメリカ産婦人科医療圏を(確か)11の地区に区分しており、それぞれから専門医取得前のレジデントが数名ずつ集められていました。連日早朝から彼らyoung fellowを集めたセミナーが開かれるのですが、社会から求められている医師としての役割を意識させるような内容が多かったことに驚きました。軍隊でのリーダーシップを例にとった講義もあり、ここでも日米の違いを実感するとともに集められた若手医師への期待度が推し量られました。彼らもまた熱意をもって活動をしており、young fellowsのリーダーはなんとACOGのvice presidentにも任命されており、若手が学会と深くかかわっているとのことでした。このような早朝のセミナーやウェルカムディナー等は恰好の交流の場でもあり、私も英語でのコミュニケーションに悪戦苦闘しつつも気さくに会話に参加させてもらい楽しく時間を過ごすことができました。

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Stump the professor

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専門医授与の式典

 

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president's partyにて

また、学会期間中はレセプションも盛大に開催されていました。特にPresident’s partyはAir and Space Museum(航空宇宙博物館)で催され、アポロ9や様々な航空機(本物かレプリカか分かりませんでしたが)が展示されている館内でお酒を飲みながらライブの演奏に合わせてダンスを踊るという、日本ではなかなか考えられないものありました。JSOGメンバーも誘われるがままダンスの輪に加わって、踊りなれないダンスを楽しみました。

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UCSD medical center レジデントと

最終日には、現地レジデントの好意でUC San Diego medical centerを見学する機会をいただきました。通常の手術部と別に帝王切開専用の手術室を3部屋備えた手術棟が用意されており、3部屋の手術室と専属のスタッフを備えておりました。そのほかの設備は概ね日本の大学病院と類似しているのかなと感じましたが、やはり医療保険の事情で自然分娩後は2〜3日、帝王切開後でも術後4日目くらいまでには退院しているようでした。1時間程の病院見学の後、お互いに日頃の臨床で考えていることや感じていることなどについて語らいました。年齢や臨床経験年数が近いこともあり共通点も多く、非常に楽しい時間を過ごすことができました。

日程の合間を縫って観光に行ったりメジャーリーグ観戦をしたりと時間を余すことなく使い切り、あっという間に6泊8日を消化し帰国の途につきました。

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名物?レッド・トロリー

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サンディエゴの夕日

ACOG並びにyoung fellowsからの心温まるホスピタリティをうけ、素晴らしいexchange programを経験することができました。他大学の若手医師やJSOGの先生方と時間を共に過ごすことができたこともとても貴重な財産となりました。これからも、多くの若手医師がこの企画に参加できることを期待致します。最後に、貴重な機会を与えていただきました日本産科婦人科学会並びに産婦人科医育成奨学基金制度に関わる皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

2012年6月10日  重田 昌吾