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海外学会報告

第7回国際DOHaD学会に参加して

西郡 秀和

アメリカのポートランドで開催された、第7回国際DOHaD(Developmental Origines of Health and Disease)学会(2011年9月18〜21日)に参加してきました。この学会は2年ごとに開催されます。世界約35国から参加があり、口演約190演題、ポスター発表約400演題ありました。

私が興味を持っている「子宮内環境と児の行動異常」分野で、注目した発表内容をいくつか紹介すると

・妊娠中に高脂肪食を摂取しすぎると、児が不安症になる。
・妊娠後期にDHAを摂取すると、児のうつ症を軽減するかもしれない。
・妊娠糖尿病の母体の危険因子は、児の運動活動性の低下と関連する。
・妊娠中のストレスは、児の認知能力の低下と関連する。
・妊娠前後の葉酸の高容量摂取は、児の記憶力を発達させる。
・妊娠前の肥満は、児の精神運動発達の低下と関連する。
・大気汚染に曝されると、胎児の脳神経発達が障害される。

画像などがありました。

各分野のコホート研究では、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、イギリス、オランダ、スペイン、アメリカ、ブラジル、チリ、フィリピン、インド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、日本(Hamamatsu Birth Cohort Study)などから、発表がありました。特に、シンガポールは、中国人、インド人、マレーシア人がとても狭い国土に混在しているメリットを生かして、人種・民族差による違いを検討していました。日本も外国の成果を参考するだけでなく、日本民族独自の検証をする必要性があると改めて思いました。


日本のエコチル調査の研究機関で、本学会に参加した関係者は、東北大学・宮城ユニットだけでした。4年後(第9回国際DOHaD学会)以降は、エコチル調査関連のコホート研究成果が出始める頃だと思います。将来は、DOHaD分野でも、日本からエコチル調査などによる大規模なコホート調査の成果が継続的に多数発表され、日本が国際的な評価を得る時期が来ることを期待して、会場を後にしました。