日時 : 2011/11/19(土) 12:30~15:30
場所 : 「うめ治」
参加費 : 1,500円
久しぶりの交流会は、「うめ治」(仙台駅から徒歩3分。“パレスへいあん”向かい)でのお食事会を行いました。3月17日に予定していた温泉企画が中止となり、皆さんと顔を合わせて語れるような、交流の機会が今年は少なくて寂しかったので、この日は、やっと仲間たちに会えた!というような喜びや安堵する気持ちでいっぱいでした。
うめ治さんはお店の内装や置物や器などにも凝っておられ、女性が大好きそうな可愛らしいもので溢れています。我々も、舌だけではなく目からも大いに楽しませていただきました。お食事を大変美味しくいただき、素敵なものに触れ、皆でたくさんお喋りして、いっぱい笑いました。免疫力もきっと上がってくれたことでしょう。
いつもいらしてくださる常連さんや、最近入会され、この日初めてご参加下さった方など皆様にお越しいただき、仲間との輪、その輪が広がっていくことを大変嬉しく思いました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。今回は参加が叶わなかった方々とも、次回はぜひお目にかかれますように願っています。次の交流会企画も楽しみにお待ち下さい。
日時 : 2011/10/8(土)13:00~15:00
場所 : 仙台市戦災復興記念館 地下1階 展示ホール
参加費 : 無料
おかげさまで今年も無事に、10月の総会・特別講演会を迎えることができました。
常日頃より、たくさんの温かい励ましとご支援をいただいている皆様方に、心より感謝申し上げます。
◇13:00~ 総会(カトレアの森・会員のみ)
会員の皆さま方に、平成22年度の事業報告・収支決算報告、並びに平成23年度の事業計画案・収支予算案を発表し、ご承認をいただきました。引き続き、新スタッフ等についての事務局案をご提示し、無事ご承認をいただきました。会長は、2006年の開設当初から郷内が務めさせて頂いておりましたが、この5年を区切りに辞任を表明し、新しい会長の選任が行われました。その結果、新会長には、開設当初からスタッフを務めてきた阿部が就任させていただく運びとなりました。
カトレアの森はこれからも、皆様と寄り添い、ホッと一息つける場所でありたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
◇14:00~ 八重樫 伸生先生 特別講演会
『大震災における東北大学病院 産婦人科の活動』
当会の顧問であられ、会の立ち上げから現在に至るまで長年一方ならぬご尽力を頂いております東北大学病院産婦人科教授の八重樫 伸生先生から、スライドや動画を交えながらのお話を伺いました。
3月の大震災のあと、東北地方の病院は大混乱を極めていました。収拾のつかないその状況の中、迅速な対応が必要な患者さんが、婦人科・産科共に各地に多数おられました。
その時に先陣に立ち、的確な判断のもと指揮をとられ、東北の産婦人科病院を可能な限り円滑に治療継続し続けられるように尽力された八重樫先生のお話に、とても引き込まれました。
医療者のみなさんが、自分たちも被災者でありながら、患者のために、睡眠や食事を減らしてでも、家に帰れずとも、尽くし、動かれる姿には本当に深い感動を覚え、ありがたい気持ちで心がいっぱいになります。
支えて頂いている側の私たちも、何らかの形で、誰かのために尽くせる人になりたいと思いました。
日時: 2011/9/15(木) 13:30~15:30
場所: 東病棟4階 第5会議室
内容: 「患者交流会」
参加費: 100円 (年会費納入者は無料)
9月の茶話会は、「患者交流会」という患者同士のお喋り会を行いました。
患った部位が違えば治療法も副作用も違ってくるので、悩みも、感じることも、他の部位の患者さんとは異なる部分が出てきます。そこで、お互いの話をよりわかり合えるように“子宮頸部” “子宮体部” “卵巣”の3グループに分かれてのお喋り会となりました。
仲間と話したり、誰かの話を聴く・・・。それによって、悩みや不安が解消されたり、生きた知識が得られたり、不安な誰かを助けてあげられたり、喋ってすっきりしたり、ツーカーに話の通じる仲間と過ごしたことで安堵感や満足感が得られたり。すべてが貴重な体験であり、からだをよくする薬だなと思いました。
【自分が身体に抱えている副作用や不安は、聞いてみたら他の多くの方も抱えていたりして、「自分だけじゃない、みんな同じなんだ」と知る。「こんな時」はどう対処したらいいのかを先輩患者から聴く。知らなかったら体調や状況をひどくしてしまったかもしれないけれど、教えてもらっていたから対処することができて、軽くすんでよかった】・・・こんなことも出てくるかもしれません。だから、体験者じゃなければ知りえないことを教えてもらえるのって、ありがたいです。
大変参考になり、一気に元気になれた気がします。
この「患者交流会」は人気があり、楽しみに待って下さる方が多くいらっしゃるのですが、この日 皆様のお顔がみるみる明るくなっていくご様子を拝見しながら、このような集いの重要性を改めて感じる想いでした。ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。
日時: 2011/7/21(木) 13:30~15:30
場所: 東病棟4階 第5会議室
内容: 「口腔ケア ~お口に優しい手入れの仕方~ 」
講師: 東北大学大学院歯学研究科 口腔保健発育学講座 予防歯科学分野
歯科衛生士 伊藤恵美先生
参加費: 100円 (年会費納入者は無料)
歯科衛生士の伊藤先生にお越し頂き、お口の中の正しい手入れの仕方を教えて頂きました。
お口の中には直腸にあるのと全く同じ密度で細菌が棲んでいるそうです。また歯周ポケットからはガスが出ていて、匂いの原因となるそうです。歯肉からの出血・口臭の悩み・口の中がネバネバする・苦い味がする・乾くなどの困りごとに、どう対処したらいいのでしょうか。
【口腔内疾患が全身に与える影響の例】 | |||
○肺 炎 | ・・・ | 飲み込む力の弱いお年寄りなどは、口中の細菌が、誤って肺の方に流れてしまい、肺炎を起こすことがあります。 | |
○糖 尿 病 | ・・・ | 歯周病菌への免疫反応の影響で糖尿病の引き金となったり、逆に糖尿病がひどくなると歯周病をさらに悪化させます。 | |
○動脈疾患 | ・・・ | 歯周病菌を撃退する仕組みが、小さな血管の傷に過剰反応して血管を狭くし、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を起こします。・・など | |
このような影響がありますので、それらを予防する為にもしっかりとしたケアが必要です。 口の中から細菌をなくすのではなく細菌の量を減らすことが大切です。歯磨きをすることは、歯の表面から安心して細菌をはがすことができます(薬を使い続けると耐性ができる)。 |
● お口に優しいお手入れの仕方
① 清潔に保つ ②傷をつけない ③潤いを与える
● ハブラシの選択・使い方
① 歯肉に傷をつけない毛の形
② ブラシの毛は普通か柔らかめ
※抗がん剤治療などで口の中が乾燥していて粘膜が弱っている方は、固い歯ブラシを使うと粘膜を
傷つけてしまう可能性があります。
③ ブラシの動かし方・磨き圧に注意
※人の口を磨く場合は、感覚が得られやすいように、出来るだけブラシの近くを持つこと。
④ 清潔に保管する
※次に使う時までに毛先が乾燥して、細菌が全部死滅するように。
水をしっかり切り、ブラシを上にして保管。キャップを使わずにそのままで。
● 優しく口腔内を潤す方法
① 体や喉を潤すには、水を飲む
② 清潔を保つためには、うがいをする
③ 口腔内を潤すには、舌下と粘膜を湿らす
水を飲んだりうがいをすることで、乾きが潤い、すっきりします。でもそれは一瞬だけ。
水と一緒に唾液も流れ、あらゆる場所から唾液を奪ってしまうので、次に唾液が潤うまでの間、却って喉が渇いた状態になってしまいます・・。(唾液は口腔内を潤し、守ってくれています)
そこで、【少量の水で口腔内を潤す方法】
水10cc位を口の中に入れて口を閉じ、舌下を湿らせ、顔を左右に傾けて、口腔内の粘膜を湿らせます。少しの水で、口の乾きがおさまります。
(震災の避難所などで水が少ない時などにも、この方法で口腔内を潤すことが出来ます)
その他、舌の上の苔を優しく取る方法も教えていただきました。
舌の上をガーゼで拭くと、黄色い苔がつく。これが口の中の匂いです。
それを取るには、キッチンペーパーを6等分位にして水に濡らし、優しく手前に3回位拭きとる。
綺麗な色になるのには、1週間弱ほどを要するそうです。
お話の後はご参加の方からの質問にも沢山お答え頂き、お陰様で具体的なことを学べたとてもいい勉強会となりました。皆様も正しいケアを続けて、綺麗で健康なお口の中を保ちましょう。
伊藤恵美先生、どうもありがとうございました。
日時: 2011/6/16(木) 13:30~15:30
場所: 新東病棟4階 第5会議室
内容: 「制吐剤について ~うまく吐き気を抑えて治療を続けていくために~ 」
講師: 東北大学病院 産婦人科医師 志賀 尚美先生
参加費: 100円 (年会費納入者は無料)
6月の茶話会は、抗がん剤による副作用で起こる吐き気・嘔吐の症状を抑えるお薬『制吐剤』がテーマでした。現在は制吐剤が大変進歩し、以前に比べ症状を抑えることがだいぶ可能になったそうです。制吐剤にはいろいろな種類があるので、どれを選択するかは、抗がん剤治療に予定されている薬の催吐性リスク・過去の制吐の効果などから決定するというお話でした。また化学療法だけではなく、放射線治療においても、 照射した大きさや部位によって約4割の方に吐き気などの症状が見られるそうです。
抗がん剤による吐き気・嘔吐には、
① 急性のもの(投与1~2時間後から24時間以内にかけて発現)
② 遅発性(遅延性)のもの( 投与24時間後以降に発現し、2~5日間程度持続)
③ 予測性(予期性)のもの(精神的な要因によってもたらされる)
このような種類があります。
制吐剤には、セロトニン受容体拮抗薬・ステロイド薬・ドパミン受容体拮抗薬・NK1受容体拮抗薬などの種類があるそうです。
また、若年の方(50歳未満の方)、女性、アルコールを常用しない方、乗り物酔いしやすい方、つわり経験のある方、副作用への不安をお持ちの方、前治療にて吐き気・嘔吐を経験した方などは、吐き気・嘔吐を起こしやすいというお話でした。
【ガイドラインのご紹介】
2010年の5月に『制吐剤 適正使用ガイドライン』(金原出版株式会社)が発刊されています。詳しく知りたい方は、こちらをご覧になってみてください。ご覧になる際の注意点として、
志賀先生が皆様に必ず伝えたいと仰っていた下記の3点も併せてご覧ください。
□ あくまでガイドラインは基本的な使い方が示されているだけです。
□ 治療や制吐剤の使用方法は主治医と相談して決めることです。
□ もし、治療に関することで不安なことがあれば、遠慮せず主治医に相談しましょう。
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今回の茶話会『制吐剤について』は、本来4月に開催予定だったのですが、震災の影響で中止となり、内容をそのままに6月16日に日を改めての開催となりました。 延期開催に向けご快諾下さいました志賀尚美先生、並びに病院内の皆様のご厚意に改めて感謝申し上げます。
そしてご参加下さいました皆様、どうもありがとうございました。
先生のお話、そして質問コーナーでのご回答を伺って、過去の治療経験からお持ちだったトラウマや、治療への大きな不安が少なくなって、心が軽くなったように感じます、という嬉しいお声も聞かれました。震災後初の茶話会で、やっと仲間のみんなと再会出来る、ということもあり、皆様のお顔にも自然と笑みが溢れる感じでした。 講演が終わってからもたくさんの方がお部屋に残ってくださり、それぞれに夢中でお話に花が咲きホッとされるご様子がとても印象的な茶話会でした。また次回、たくさんの方にお目にかかれることを祈って、お待ちしております。
日時: 2011/2/10(木) 13:30~15:30
場所: 新東病棟7階 SGT室
内容: 「がんと心のケア」
講師: 東北大学病院 精神科医師 伊藤文晃先生
参加費: 100円 (年会費納入者は無料)
現在、東北大学病院17階・緩和ケアチームにおいてがん患者さんとご家族の方の心のケアに従事されている 精神科医師の伊藤文晃先生に、「がんと心のケア」というテーマでお話を伺いました。
年間52万人の方が がんの診断を受けています。長期にわたるがん医療において様々なストレスを抱える人も少なくありません。私たちの心は、精神的衝撃に対して①『ショック・混乱(1週間以内)』一時的に現状否認することで対処⇒②『不安・落ち込み(2週間以内)』⇒③『現実に適応していく時期(2週間後→1ヶ月)』新たな生活への出発、と様々な心理状態を経ながら時間をかけて癒されていきます。同時に、困難な心の状態もしっかり体験することで人間的な成長もできますが、うつ病の症状が2週間以上続いた時は要注意です!
うつ病になったらどうしたらいいのか。自分では症状に気付けなくなることもありますが、早期に症状に気付くことが大切です。うつ病の症状が長引くと日常生活に大きな支障をきたす場合があります。精神科を受診する場合、治療には薬物治療とカウンセリングがありますが、どちらも患者さんの不安や落ち込みにも効果があり、生活の質の向上にもつながります。症状が改善すれば、お薬はやめることができます。カウンセリングが苦手な方は無理をして受ける必要もありません。患者さんの症状に合った治療を進めていくことが可能です。まずは担当の医師に相談してみましょう。
実は心の衝撃を乗り越える力は誰もが持っています。自分なりのストレス対処法や周囲の人々からの様々な援助(=ソーシャルサポート)がその回復を助けます。簡単なストレス対処法として、呼吸法・イメージ法・気晴らし法・筋弛緩法もご紹介していただきましたが、究極のストレス解消法は眠ること!日頃から充分な休養を心がけ、自分に合ったストレスへの対処法を見つけ、日々リフレッシュしていくことが心のケアにもつながります。様々なストレス対処法を学んでおくことも役に立つかも知れません。
後半ではご参加の方々からの質問にも、貴重なアドバイスを伺いました。
今回のお話において、うつ病は誰にでも起こりえる身近な病気であることを認識することができたと同時に、「悲しみぬくことそのものに癒す力がある」というキューブラー・ロスの引用にも深い感銘を受けました。伊藤先生、本当にありがとうございました。