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腸閉塞予防の為の食事の工夫
『腸閉塞(イレウス)予防の為の食事の工夫 〜バランスのよい食事とは〜』
お話:東北大学病院栄養管理室室長 岡本智子先生
腹部の治療後は、腸の働きが鈍り、食物をうまく処理し切れずに詰まりをおこしてしまう場合があります。
それを回避する為に役立つ食べ物の選別の仕方、調理の工夫、食事の摂り方などをご紹介いたします。
【イレウスを起こしやすい食品の例と工夫】
□ | 不溶性食物繊維:ごぼう・セロリ・たけのこ・山菜・さつまいも・豆・栗・こんにゃく 野菜は皮や筋を除き、繊維を断ち切る方向に細かく切る (ただしみじん切りではなく、噛める大きさに。みじん切りだと飲み込めてしまう為) |
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□ | 豆類:納豆・大豆・あずき・枝豆など 納豆はひき割りで、ご飯とは別にしてよく噛む。大豆の煮豆は、こして皮を取り除く。 あんこは「こしあん」で。 枝豆の薄皮は除いて食べる。(豆の皮は詰まる原因となる場合が多い) |
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□ | 海藻・きのこ類 ⇒ 量を控えめに。 | |
□ | 穀類:玄米・全粒粉・そば・ラーメン・とうもろこしなど・・(食べる量は控えめに) ラーメンをどうしても食べたい方は、麺を無かんすいのものやそうめんに変え、スープのみラーメンスープで食べることが安心。豚骨ラーメンは脂に注意。 トウモロコシは、皮が詰まりの原因!コーンスープで味わうのがお勧め。 |
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□ | 硬い繊維の果物:ドライフルーツ・パイナップル・さくらんぼ・プルーンなど | |
□ | 種実類:ピーナッツ、ごま ⇒ ペースト状のものをいただく ※脂質の過剰摂取も負担となり、腸閉塞を起こす原因となります。食事全体の中での油の量は25%までに抑えた方がよく、脂質を含むおかずが何品も重なるのは良くありません。 |
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□ | バランスのよい食事とは・・ ・食事をお弁当箱に詰めた場合、全体の2分の1を、主食であるご飯が占める割合 ・残りの半分の3分の1は、肉・魚・豆類などの主菜 ・同じく残りの半分の3分の2に、副菜が2種類くらい ・見た目に、色がある程度豊富に入っていれば、バランスも取れているということ |
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□ | その他の心がけ ・ゆっくりゆっくりよく噛んで、楽しんでチビチビといただきましょう ・食事の時もこまめに水分をとりましょう ・乳酸菌飲料やヨーグルトなどを利用し、おなかの中の環境を整えましょう |
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⇒ 実際はそれぞれの身体による個人差があります。
また同じ人物でも、その時の状況や体調により、同一のことをしても違う結果が出てくる場合もあります。体調の良い時に、食べることに関して少しずつ試し、自分に合った食べ方を体得していくことが大事です。自分の身体の状態をよく観察・認識して、上手に食材や量を選ぶ必要があります。その工夫で腸閉塞はだいぶ防ぐことが出来るはずですので、食事を楽しみながら、がんばってみましょう。